(2)カタログメディア(オンデマンド・ホスピタリティ)

Face to Faceマーケティング」を有効にサポートできるのが、カタログである。とりわけBtoB分野では、製品総合カタログ以外はカタログの一人歩きはないと考えられる。WEBサイトが製品総合カタログのプル型代替メディアとして機能する現在、プッシュ型である「Face to Faceマーケティング」のサポートを確実に行えるツールは、ソリューションカタログだろう。

そこで重要な点が一つある。みなさん、御社のカタログはどちらを向いて作っていますか?。おそらく漠然としたマーケットとか顧客をターゲットにして企画されているはずである。つまりカタログを一人歩きさせよう、営業マンの代役をさせようとしているのではないだろうか。

WEBサイトで十分把握している製品情報を、まったく同じ内容のカタログを前に、懇々と説明する営業担当に辟易とした経験は、誰もが持っているだろう。「Face to Faceマーケティング」の最も重要な場で、顧客にホスピタリティを提供できない営業スタイルは早急に改めなければならない。ここで言うホスピタリティとは、ソリューションである。製品の細かな情報はWEBで賄えるが、顧客の態様に応じたソリューションは、Face to Faceでないと難しい。

カタログでの売りに結びつく対応は、下記の2点に絞られる。

(a)営業力に応じたターゲティング

(b)オンデマンド・ホスピタリティ

カタログが営業ツールとしての性格が強いことを考えれば、営業力(営業スキル)の違いによって、カタログのターゲットも変えるべきである。(a)のターゲティングというのは、顧客向けなのか、自社の営業担当向けなのかと言うことを示している。自社の営業力が強い場合、言い替えれば確固たる顧客層を掴んでいる場合、カタログは顧客向けでよい。つまり、「Face to Faceマーケティング」は、営業担当者の力量でこなすことが可能であり、その場合の補助的なツールとしてカタログを位置づけられる。これが一般的なカタログだろう。しかし、BtoB企業の場合、営業力の乏しい企業が多く、また従来は強くても最近になって極度に営業力が低下しつつある企業もでてくると思われる。これはWEBの普及と技能の伝承不備によるもので、おそらく今後多くの企業でこの課題に突き当たるだろう。その場合のカタログだが、いっそのこと、マーケット志向ではなく自社の営業向けに企画した方が良い。「Face to Faceマーケティング」のサブツールではなく、営業担当の「Face to Faceマーケティング」をリードできる戦略ツールという位置づけだ。最も解りやすいのは、セールスマニュアルである。これほど説得力のあるツールはないが、どういう訳かメディアの進化した現在でも、セールスマニュアルは社外秘扱いで、顧客の手に渡ることはない。セールスマニュアルの性格を持ったカタログを使用することで、営業担当は、顧客を前にしたプレゼンテーションに説得力を持たせることが可能になる。もちろん社外秘に相当する情報は盛り込めないが、淡々と製品情報を述べるのではなく、あたかも営業担当がプレゼンテーションしているような(し易いような)ダイナミックな展開を持ったカタログが欲しい。

このカタログの制作は、まず数人の営業担当に実際にプレゼンテーションを行ってもらい、それをそのままの流れで編集すればよい。

カタログ

b)のオンデマンド・ホスピタリティはBtoB特有のものである。BtoBマーケティングでは、所謂組織人を対象にしており、一つの製品であってもその購買に際して、担当窓口やその上司、購買センター、経理、社長など複数の組織人が関与してくる。にもかかわらずほとんどの企業では、一種類の製品カタログで賄っているところが多いと思われる。もとより担当窓口とその上司では製品導入に際しての評価視点が異なり、購買センターや経理などではもっと違った側面で評価される。さらに言えば、BtoBマーケティングである以上「組織」のもつ性質や風土によっても、アピールポイントやメッセージが異なってくるはずである。顧客企業の風土を十分理解し、それにふさわしいソリューションを述べたカタログは、まさに八百屋の御用聞きそのものなのである。

ソリューションと言うホスピタリティを提供するのがカタログの役目であるなら、企業ごと、組織人ごと(購買センター向けやマネージャー向けなど)に異なったソリューションを提示しなければならないが、オンデマンド印刷がそれに貢献してくれるはずである。(続)