WEBサイトはもはや広報メディアではない。すでにサイバーコーポレーションの域に達しつつある。企業とそれを取り巻くあらゆる情報が網羅され、自由に閲覧できるはずだが、残念ながらまだ情報の出し惜しみをしているサイトが少なくない。BtoBに限らずビジネスの場面では、いかに素早く情報がゲットできるかで勝敗は決まる。とにかく考えられる情報はすべて搭載すべきであろう。その情報を顧客が必要としているかどうかなどとか、競合企業の出方を探るとか、そんなことをしている暇はない。後は顧客や社会が必要とする情報に効率よくたどり着けるユーザビリティとSEOに専念すればよい。
WEBサイト運営での売りに結びつく対応は、下記の2点が考えられる。
(a)ソリューションサイトによるオンデマンド・ホスピタリティ
(b)ビジネスSNSの導入
サイバーコーポレーションである以上、現実の企業と同様の運営が必要となる。現在はまだWEB専任部署などで運営している企業が多いと思うが、将来的には、従業員一人一人が何らかの形でWEBに関与することになるだろう。ビジネス面で捉えれば、まず営業担当がそれぞれに自分のサイトを持ち、ここでWEBマーケティングを行う手法が早晩確立されてくると考える。ここでもオンデマンド・ホスピタリティの考え方が活かされ、営業が自分の担当している顧客ごとに異なったサイトを開設し、担当企業に適したソリューションを提示することで達成できる。ちょうどMyYahooのような仕組みを、BtoBサイトで実現することになる。そして最終的には、SFA(セールス・フォース・オートメーション)の一翼を担うことになる。ここでの課題は、いかにして顧客を自社のWEサイトで囲い込めるか、に重点が置かれる。ビジネスSNSの導入によって、ある程度それは解決できると考えられる。SNSはPtoPやCtoCの分野ではかなりの普及を見せているが、むしろクローズネットワークと言えるこの仕組みは、もともと閉鎖的なビジネス様式をもつBtoBでこそその真価を発揮することができるだろう。(続)